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本引き

ほんびき
名詞
1
標準
文例 · 用例
女の子は暫くもじもじしていたが、やがて、雲呑の小鉢を下へ置き、肘のなかの花束からおおきい蕾のついた草花を一本引き抜いて、差しだした。
太宰治 青空文庫
とうとう、少女は一本引きぬきました。
ハンス・クリスチャン・アンデルセン Hans Christian Andersen マッチ売りの少女 青空文庫
一本ですむところを二本引き本引き、奇麗な併行線を描く、線がほかの行まで食み出しても構わず引いている。
夏目漱石 吾輩は猫である 青空文庫
その脂切った笑い顔を見ると、私はホッと救われたような気持ちになって、バットを三個ばかり受け取ったが、とりあえず一本引き出して吸口をつけながら、こころみに聞いて見た。
夢野久作 空を飛ぶパラソル 青空文庫
」と、文吾は石竹の莖を持つて、一本引き拔かうとしたが、なか/\堅くて、成るほど引き拔きにくかつた。
上司小劍 石川五右衞門の生立 青空文庫
戸を開けば不折子が大きなる葉鶏頭一本引きさげて来りしなりけり。
正岡子規 小園の記 青空文庫
獅子が羚羊を引き裂くように、あいての手足を一本一本引き裂くことまできた。
FRANKENSTEIN, OR THE MODERN PROMETHEUS フランケンシュタイン 青空文庫
疲れ切った腕がなおも一本一本引き切ってゆくその重き愉悦は、人生の深き諦視の底の澄透れる無心にも似る。
中井正一 スポーツの美的要素 青空文庫