鎮まり
しずまり
名詞
標準
文例 · 用例
幽寂に造られたる平庭を前に、縁の雨戸は長く続きて、家内は全く寝鎮まりたる気勢なり。
— 泉鏡花 『義血侠血』 青空文庫
一石一字をろがみて、 そのかみひそにうづめけん、寿量の品は神さびて、 みねにそのをに鎮まりぬ。
— 宮沢賢治 『文語詩稿 一百篇』 青空文庫
三味線や太鼓は勿論、迂濶に廊下をあるいても、お鷹をおどろかしたという廉で厳しく痛め付けられるのであるから、家中の者は息を殺して鎮まり返っていなければならない。
— 鷹のゆくえ 『半七捕物帳』 青空文庫
群集は崩れ、雑沓鎮まり、一条の紛乱はかくしてようやく鎮撫に帰しぬ。
— 泉鏡花 『貧民倶楽部』 青空文庫
一騒ぎ鎮まりましてから、門口では隣ずから、内では部屋々々の御見舞。
— 泉鏡花 『わか紫』 青空文庫
最初その車に積んだら、大八にざっと四五十台とも覚えましたのが、地震が鎮まりますと忽然で、盆踊りのあとじゃござりませんから、鼻紙一枚落ちちゃいず、お祭のあとでござりませんから、竹の皮|一片見えなくなってしまったでござりますわ。
— 泉鏡花 『わか紫』 青空文庫
この間から風説のございました地震なんでございます、とうとうほんものにして騒ぎまして、ただ今ようよう鎮まりましたのでございます。
— 泉鏡花 『わか紫』 青空文庫
けれど、母親には大層やさしくなッて、騒いで叱られたとて、鎮まりもしないが、悪まれ口もきかず、却ッて憎気なく母親にまでだれかかるので、母親も初のうちは苦い顔を作ッていたものの、竟には、どうかこうか釣込まれて、叱る声を崩して笑ッてしまう。
— 二葉亭四迷 『浮雲』 青空文庫