隠し道
かくしみち
名詞
標準
文例 · 用例
第五十回 閉じ込んで置く者 見廻しつゝ登ると階段の中程の横手の壁に潜戸の様な所がある、何か秘密の一室へでも通ずる隠し道ではあるまいか、戸の色と壁の色と一様に燻って閉じてあれば、容易には見分けも附くまいが、開いて居る為余の目には留まった。
— 黒岩涙香 『幽霊塔』 青空文庫
この道は、過ぐる夜、蛇滝の参籠堂を出た机竜之助の駕籠が、そこで、小雨と、月の霽間と、怪霧と、天狗と、それから最後に弁信法師の手引によって救われた甲州街道のうちの一つの隠し道であります。
— 白骨の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
よくいう“隠し道”というものだろう。
— 吉川英治 『新・水滸伝』 青空文庫
ぬかりなく、隠し道を塞ぐこったな」「いや、細道だから、そんな大勢はいらねえ。
— 吉川英治 『新・水滸伝』 青空文庫
そのあいだに、孫立一味は城郭中の通路、隠し道、奥との連絡、すべての探りを遂げていた。
— 吉川英治 『新・水滸伝』 青空文庫
少し行っては、「山絵図、山絵図を」 と、藤吉郎は、それと首っぴきになって、隠し道をさがした。
— 第三分冊 『新書太閤記』 青空文庫
かねて、奥庭の石神堂の内部へ出るには、千蛾老人の部屋から三ツ目のお書物納戸から、地底を抜ける隠し道があるのをよく知っておりますので、そこの道がくしを撥ね返し、真ッくらな間道を、スタスタと一筋に進んでゆく。
— 吉川英治 『江戸三国志』 青空文庫
うむ、ことによると阿州屋敷にも隠し道が」 流れに任せた軽舸の中では、法月弦之丞の目と手足、その時怖ろしく迅速に働いていた。
— 上方の巻 『鳴門秘帖』 青空文庫