絡繰
からくり
名詞
標準
文例 · 用例
あれから後、板倉は訪ねて来たことがなく、電話や手紙の遣り取りなどもしている様子は見えないけれども、何分妙子は一日の大部分を外で暮しているのであるから、何処でどう云う風な絡繰をしていないものでもない。
— 中巻 『細雪』 青空文庫
召使の主だったもの二人ばかりを手伝わせて、階上階下地下と、草の根分けるような捜索を続けること二時間ばかり、今更ながら舌を巻いたのは、この伯爵の用意周到な絡繰であった。
— 橘外男 『グリュックスブルグ王室異聞』 青空文庫
しかしそれは今の普通の探偵小説ではきっと先生には絡繰があまり見え透くのでつまらないといわれるのだろうと思われる。
— 中谷宇吉郎 『先生を囲る話』 青空文庫
自分に知らされていない大きな絡繰りがあって、自分が失敗を犯すのを、皆が寄ってたかって待ち受けているように感じた。
— 澤西祐典 『くじらようかん』 青空文庫
もとよりヤリクリをして、狡辛く世を送っているものだから、嵌め込む目的がない時は質に入れたり、色気の見える客が出た時は急に質受けしたり、十余年の間というものは、まるで碁を打つようなカラクリをしていたその間に、同じような族類系統の肖たものをいろいろ求めて、どうかして甘い汁を啜ろうとしていた。
— 幸田露伴 『骨董』 青空文庫
もとよりヤリクリをして、狡辛く世を送つてゐるものだから、嵌め込む目的が無い時は質に入れたり、色気の見える客が出た時は急に質受けしたり、十余年の間といふものは、まるで碁を打つやうなカラクリを仕てゐた其の間に、同じやうな族類系統の肖たものをいろ/\求めて、何様かして甘い汁を啜らうとして居た。
— 幸田露伴 『骨董』 青空文庫
道場に、どんなカラクリがあるか知らねえが、本当に、竜造寺のお殿様が黒幕にいらっしゃるとするなら、こいつも只の騒動じゃあるめえと存じますゆえ、万ガ一の場合の御用意に、二人三人御朋輩の御旗本衆をでも御連れなすった方がいいと思うんでごぜえます。
— 江戸に帰った退屈男 『旗本退屈男 第九話』 青空文庫
事の第一はこれなる化物道場のカラクリ暴き出すが肝腎じゃ。
— 江戸に帰った退屈男 『旗本退屈男 第九話』 青空文庫