清か
さやか
形容動詞
標準
文例 · 用例
汨羅の屈原ならざれば、恨みは何とかこつべき、大川の水清からぬ名を負ひて、永代よりの汽船に乘込みの歸國姿、まさしう見たりと言ふ物ありし。
— 樋口一葉 『われから』 青空文庫
我儘過るとお清から苦情の出る場合もあったが、何しろお徳はお家大事と一生懸命なのだから結極はお徳の勝利に帰するのであった。
— 国木田独歩 『竹の木戸』 青空文庫
この現金な気持があったから、京吉は陽子が清かったことを知ると、さすがに自分のしようとしていた行為の醜さを、恥じたのだ。
— 織田作之助 『土曜夫人』 青空文庫
神官は嚴肅に、僧達は靜寂に、御手洗の水は清かつた。
— 泉鏡太郎 『深川淺景』 青空文庫
古昔は水の清かりしをもて人の便とするところとなりて、住むもの自ら多かりけむ、この川筋には古き器物を出すこと多し。
— 幸田露伴 『水の東京』 青空文庫
隅田川の水としいえば黄ばみ濁りて清からぬものと思い馴れたれど、水上にて水晶のようなる氷をさえ出すかと今更の如くに、源の汚れたる川も少く、生れだちより悪き人の鮮かるべきを思う。
— 幸田露伴 『知々夫紀行』 青空文庫
そう騒がれるのにたるほどの優雅な挙止を源侍従は見せていて、身から放つ香も清かった。
— 竹河 『源氏物語』 青空文庫
お葉の心は清かつた。
— 素木しづ子 『三十三の死』 青空文庫