幻辞.com

揺り

ゆり
名詞
1
標準
文例 · 用例
そして赤坊の唾液で濡れた拑子を指先で挟んで持つてゐながら、母親が子供を揺りながら泣いたり、その子の瞳を見入つて一言二言狂気のやうに云つたりするのを「そんなにして俺が何が出来るものか」と思つて立つてゐた。
中原中也 医者と赤ン坊 青空文庫
この声の行くところ、水と、石と、樹と、調子を合せて、谷間の客を揺り起す。
小島烏水 白峰山脈縦断記 青空文庫
いぎたなく眠れる善作を揺り起して、炊事を命じ、自分一人寒気に慄えながら小舎の前の石峰に立た。
小島烏水 奥常念岳の絶巓に立つ記 青空文庫
冗談じゃないぜ息が詰っちまうぜ」 彼は、暫くして少年を揺り起した。
葉山嘉樹 乳色の靄 青空文庫
寒さに対しては、彼らは必要以上に、からだを揺り動かした。
葉山嘉樹 海に生くる人々 青空文庫
その安心を、はなはだしく揺り動かされ、のみならず、その他のことも一切が、まるで、プログラムと違った方向に脱線して、坐礁したということを、さとらねばならないだろう。
葉山嘉樹 海に生くる人々 青空文庫
此山を揺り撼かして、おそろしい魔法の歌が響いていますね。
太宰治 正義と微笑 青空文庫
これから進んで実際の家を振動台の上で揺り動かす大規模の実験を企てその準備にかかろうという際に病のために倒れたのである。
寺田寅彦 工学博士末広恭二君 青空文庫