岱赭
岱赭
名詞
標準
文例 · 用例
きちん、と手際よく、鋤き耕やされて筋目正しくならされた岱赭色の土の面の露霜がとけて、もやもやとした白い水気が、幾条も幾条も立ち初めて太陽の面を掠めたり、斜な光線にからんだりする。
— 岡本かの子 『かやの生立』 青空文庫
赤かった色は醜い岱赭色に変っていた。
— 渡辺温 『赤い煙突』 青空文庫
なる程、真中の小いさな岱赭色をした煙突からも両側のと同じように盛に煙が吹き出ていた。
— 渡辺温 『赤い煙突』 青空文庫
」 と娘に教えられる迄もなく、私は切符を買いながらそっと、軽気球の籠をまたぎかけている背の延びた岱赭色の洋服を見てとった、私はいそいそとそのあとに従った。
— 渡辺温 『風船美人』 青空文庫
乗馬は馬首をならべて、黙々とその蹄鉄のひびきに、岱赭色の土煙をぽかぽかと蹴たてながら忍耐強い歩みを続けていた。
— 里村欣三 『シベリヤに近く』 青空文庫
そしてその行進の一切が、岱赭色の土煙のなかに呻めき、喘いでいるのだった。
— 里村欣三 『シベリヤに近く』 青空文庫
琉球のある女のひとがくれた一対の小さい岱赭色の土製の唐獅子が、紺色の硯屏の前においてある。
— 宮本百合子 『机の上のもの』 青空文庫
――岱赭色、古びた緑金色。
— 一九二八年(昭和三年) 『日記』 青空文庫