后町
きさきまち異読 きさいまち
名詞
標準
women's pavilion (of the inner Heian palace)
文例 · 用例
常寧殿の后町井や、御湯殿の下から出たと言ふ蚶気絵と言ふ笙の伝説などを考へ併せると、愈きさきと御禊との関係が考へられる(民俗学篇第一冊「水の女」参照)。
— 折口信夫 『万葉集研究』 青空文庫
浴後の御髪やおん衣の奉仕に侍いていた女官のひとりが、「はい」 と、后町の方へ、スリ足を早めて行った。
— 婆娑羅帖 『私本太平記』 青空文庫
后町とは、女官たちのいわゆる御所ことばで、正しくは常寧殿、あるいは五|節殿とよぶ。
— 婆娑羅帖 『私本太平記』 青空文庫
まことに、彼女のほこらしさにすれば、后町ノ廊を通うたびにも、常に独りで、こう思惟していたことでもあろうか。
— 婆娑羅帖 『私本太平記』 青空文庫
彼は、次の日、家臣に命じて、倉の内から、女の欲しがりそうな物を種々取り出させて、宮中の后町で開かれる“女御ノ市”みたいに、通用門の内に棚をならべて彼女らを待ちうけていた。
— 建武らくがき帖 『私本太平記』 青空文庫
みかどが夜ノ御殿にいることなく、栄子の几帳や后町の局々を、毎夜毎夜かえておいでであろうと、帰るところは自分のほかにないものときめていた。
— 建武らくがき帖 『私本太平記』 青空文庫
後醍醐も、后町のどの妃の局へもお通いは見えなかった。
— 建武らくがき帖 『私本太平記』 青空文庫
――日ごろ、紫宸、清涼、弘徽殿などになぞらえられていた所の一切の御物――また昼の御座の“日の簡”、おん仏間の五大尊の御像、后町のきらびやかな御簾ごとの調度なども――すべてそのままお立退きのほかなかった。
— 風花帖 『私本太平記』 青空文庫
作例 · 標準
源氏物語には、光源氏が后町を訪れる場面が何度か描かれている。
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平安時代の后町は、女性たちが住むだけでなく、文化の中心でもあった。
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後宮の奥、后町には厳重な警備が敷かれていたという。
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昔の都の生活を描いた絵巻物には、優雅な后町の様子が見て取れる。
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