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被衣

かつぎ
名詞
1
標準
文例 · 用例
」 その木戸口に、柳が一本、二人を蔽う被衣のように。
泉鏡花 薄紅梅 青空文庫
トなだらかな、薄紫の崖なりに、桜の影を霞の被衣、ふうわり背中から裳へ落して、鼓草と菫の敷満ちた巌を前に、其の美女が居たのである。
泉鏡太郎 神鑿 青空文庫
島かと思ふ白帆に離れて、山の端の岬の形、につと出た端に、鶴の背に、緑の被衣させた風情の松がある。
泉鏡太郎 霰ふる 青空文庫
御堂は薄墨の雲の中に、朱の柱を聯ね、丹の扉を合せ、青蓮の釘かくしを装って、棟もろとも、雪の被衣に包まれた一座の宝塔のように浄く厳しく聳えて見ゆる。
泉鏡花 白花の朝顔 青空文庫
島かと思う白帆に離れて、山の端の岬の形、にっと出た端に、鶴の背に、緑の被衣させた風情の松がある。
泉鏡花 霰ふる 青空文庫
満更の容色ではないが、紺の筒袖の上被衣を、浅葱の紐で胸高にちょっと留めた甲斐甲斐しい女房ぶり。
泉鏡花 国貞えがく 青空文庫
死んだやうな夜気のなかに、凝つて、ひとり活きて、卯の花をかけた友染は、被衣をもるゝ袖に似て、ひら/\と青く、其の紫に、芍薬か、牡丹か、包まれた銀の鍋も、チチと沸くのが氷の裂けるやうに響いて、ふきこぼるゝ泡は卯の花を乱した。
泉鏡太郎 銀鼎 青空文庫
男は鍔広帽子を眼深にかぶり上衣の襟を深く立てて、女は長い睫毛の真黒な眼だけを残してすっぽりと被衣を被っている。
渡邊温 薔薇の女 青空文庫