些々
ささ
形容動詞
標準
文例 · 用例
唯物論的弁証法に拠らざれば、どのような些々たる現象をも、把握できない。
— 太宰治 『虚構の春』 青空文庫
そのつぎにおのれの近況のそれも些々たる茶飯事を告げる。
— 太宰治 『ロマネスク』 青空文庫
その後室内沈静にして、些々たる物音も聞えぬ事あり、時ありては畳を蹴立てて噪がしき響の起る折あり、突然、きいーきいーと悲鳴をあげて、さもくやしげに泣く音も聞ゆ。
— 泉鏡花 『貧民倶楽部』 青空文庫
生れて人間の價値をも知らず、宇宙の意味をも考へないで、一生を衣食の爲に營々として浪費して了ツたら、其は随分|辛いだらうが、高が些々たる肉躰上の苦痛のみなのだから、其の人に取ツては或意味に於て寧ろ幸福であるかも知れない。
— 三島霜川 『虚弱』 青空文庫
或時は微醺を帯びて来て、些々擽る様な事を言つた事もある。
— 石川啄木 『鳥影』 青空文庫
或時は微醺を帶びて來て、些々擽る樣な事を言つた事もある。
— 石川啄木 『鳥影』 青空文庫
この男は一見して、些々たることには決して心を労することなく、その全生活が坦々として油の上を辷るやうに滑らかに※転してゆくといつた人物であることが頷かれた。
— VECHERA NA HUTORE BLIZ DIKANIKI 『ディカーニカ近郷夜話 後篇』 青空文庫
然シ我工場ハ幸イニシテ、皆サンノ勤勉努力にヨッテ、ソノ些々タル影響モ受ケテイナイノデアリマス。
— 小林多喜二 『工場細胞』 青空文庫