雅名
がめい
名詞
標準
文例 · 用例
十四 しかり、文金のお嬢さんは、当時中洲辺に住居した、月村京子、雅名を一雪といって、実は小石川台町なる、上杉先生の門下の才媛なのである。
— 泉鏡花 『薄紅梅』 青空文庫
程君房とか方干魯とかいふ桂子の耳には縁遠い支那の古墨の作銘の名を、桂子は先頃から屡々小布施の口から聴いたものだが、それを自居の雅名にして、標札にまで書いて出さねばならない気持にまでなつたのか――小布施の時流憧憬は病の進むに従つて、一々、即物化さねば心が安まらない風に見え出した。
— 岡本かの子 『花は勁し』 青空文庫
引手茶屋で飲んだのが、明日は名におう堺町|葺屋町の顔見世、夜の中から前景気の賑いを茶屋で見ようと、雅名を青楼へ馳せず芝居に流した、どのみち、傘雨さん(久保田氏)の選には入りそうもないのが、堀から舟で乗出した。
— 泉鏡花 『雪柳』 青空文庫
六の二 段々聞いて見ると、与次郎は従来から此雑誌に関係があつて、閑暇さへあれば殆んど毎号筆を執つてゐるが、其代り雅名も毎号変へるから、二三の同人の外、誰れも知らないんだと云ふ。
— 夏目金之助 『三四郎』 青空文庫
だんだん聞いてみると、与次郎は従来からこの雑誌に関係があって、ひまさえあればほとんど毎号筆を執っているが、その代り雅名も毎号変えるから、二、三の同人のほか、だれも知らないんだと言う。
— 夏目漱石 『三四郎』 青空文庫
余はこの老先生に對して、『公徳箱』の雅名を聯想せざるを得ざりき。
— 大町桂月 『白河の關』 青空文庫
俳諧には蕪村または夜半亭の雅名を用うれど、画には寅、春星、長庚、三菓、宰鳥、碧雲洞、紫狐庵等種々の異名ありきとぞ。
— 正岡子規 『俳人蕪村』 青空文庫
俳諧には蕪村または夜半亭の雅名を用うれど、画には寅、春星、長庚、三菓、宰鳥、碧雲洞、紫狐庵等種々の名異名ありきとぞ。
— 正岡子規 『俳人蕪村』 青空文庫