寝像
ねぞう
名詞
標準
文例 · 用例
華麗と歓楽とを夢みるように、この雪白く、氷堅き北方の閉鎖から解かれて、南方の奢侈を、立ち姿や、寝像にまで現して、昼となく、夜となく、おそらく、千年も万年も、不断の進みをつづけているのだ。
— 小島烏水 『白峰山脈縦断記』 青空文庫
見ていて何となく佗しい感じの寝像でした。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
イサーク寺では僧正の法衣の裾に接吻する善男善女の群れを見、十字架上の耶蘇の寝像のガラスぶたには多くのくちびるのあとが歴然と印録されていた。
— 寺田寅彦 『北氷洋の氷の割れる音』 青空文庫
――この部屋は露路を通る人からは、すつかり見透しなのだ、暑いから閉めておくわけには行かない、お午過ぎまで寝てゐることも止めて貰ひたい、寝像もあまり好い方ぢやない、口をあいて寝てゐる時もある。
— 牧野信一 『蝉』 青空文庫
「あんたの寝像つたら、妾は、吃驚りしちやつてよ、あんな寝像の悪い人つてえのが世の中にあるかしら!
— 牧野信一 『小川の流れ』 青空文庫
何百間かに亘る天然石に日蓮の寝像を刻みかけている牛が首島というのも、遠く近く垣の様につらなり渡った島の中にさし示された。
— 若山牧水 『みなかみ紀行』 青空文庫
陰鬱な樹の下影に寝像もある。
— 横光利一 『欧洲紀行』 青空文庫
「いくら起しても、ちつとも目を醒さないのよ――でもね、隆ちやん見たいに寝像の悪い人とは違つて……」「何だい、また俺か――面白くもない。
— 牧野信一 『夜の奇蹟』 青空文庫