突兀
とっこつ
形容詞-たる副詞-と
標準
lofty
文例 · 用例
即ち実に多くの新奇な流派が簇出したのであつて、その多くのものは間もなく廃たれ、ジイドは突兀として残つてゐるのである。
— 中原中也 『アンドレ・ジイド管見』 青空文庫
竹村君はこの空ら風の中を突兀として、忙しそうな往来の人を眺めて歩く。
— 寺田寅彦 『まじょりか皿』 青空文庫
平地に突兀として盛り上る土積。
— 岡本かの子 『富士』 青空文庫
まわりの円味がかった平凡な地形に対して天柱山と吐月峰は突兀として秀でている。
— 岡本かの子 『東海道五十三次』 青空文庫
飛び石のそばに突兀としてそびえた楠の木のこずえに雨気を帯びた大きな星が一ついつもいつもかかっていたような気がするが、それも全くもう夢のような記憶である。
— 寺田寅彦 『庭の追憶』 青空文庫
そうして右をふり仰ぐと突兀たる小浅間の熔岩塊が今にも頭上にくずれ落ちそうな絶壁をなしてそびえ立っている。
— 寺田寅彦 『小浅間』 青空文庫
山の南側は、太古の大地変の痕跡を示して、山骨を露出し、急峻な姿をしているのであるが、大垣から見れば、それほど突兀たる姿をしていないだろうという事は、たとえば陸地測量部の五万分一の地形図を見ても、判断する事ができる。
— 寺田寅彦 『伊吹山の句について』 青空文庫
河中に岩石|突兀として橋を架ける便宜が無いのと、水勢が極めて急激で橋台を突き崩して了うのとで、少しく広い山河には一種の籠を懸けて、旅人は其の両岸に通ずる大綱を手繰りながら、畚に吊られて宙を渡って行く。
— 岡本綺堂 『飛騨の怪談』 青空文庫