登竜
とうりゅう
名詞
標準
文例 · 用例
三 登竜門ここを過ぎて、一つ二銭の栄螺かな。
— 太宰治 『ダス・ゲマイネ』 青空文庫
登竜門というものは、ひとを市場へ一直線に送りこむ外面如菩薩の地獄の門だ。
— 太宰治 『ダス・ゲマイネ』 青空文庫
情けない事には、巴里の如くその玉を引取るべき画商がなく、展覧会は完全に登竜門の大競技場となり漫歩の背景となりつつあるが為めにこの常設館のイルミネーションの中で完成されたる滋味ある宝玉も同居するのだから、甚だそれはねぼけた存在と見え勝ちである。
— 小出楢重 『油絵新技法』 青空文庫
照近江のお鯉という名は、時の宰相の寵姫となる芽出度き、出世登竜門の護符のようにあがめられた。
— 長谷川時雨 『一世お鯉』 青空文庫
だからスカラ座はいわばメトロポリタンに出る登竜門みたいな役割と格式を持っているのです。
— 三浦環 『お蝶夫人』 青空文庫
彼等はかくの如くにして、彼等の登竜門が今や目前に開かれたるを感じたり。
— 芥川龍之介 『木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)』 青空文庫
それに又、文芸評論家や一般の評論家達の登竜門が、ブック・レヴューであるということ、現代の有名な評論家の多くがブック・レヴューの筆者としてまず世に出たという例、これは相当著しい事実なのである。
— 戸坂潤 『読書法』 青空文庫
この意味で、新劇協会の舞台は、凡ゆる前途ある俳優の道場であり、展覧会であり、登竜門である。
— 岸田國士 『俳優養成と人材発見』 青空文庫