大老
たいろう
名詞
標準
(Edo-period) chief minister
文例 · 用例
三月三日に井伊大老の殺された報知が電信も汽車もない昔に、五日目にはもう土佐の高知に届いたという事実がある。
— 寺田寅彦 『一つの思考実験』 青空文庫
登勢も名を知っている彦根の城主が大老になった年の秋、西北の空に突然|彗星があらわれて、はじめ二三尺の長さのものがいつか空いっぱいに伸びて人魂の化物のようにのたうちまわったかと思うと、地上ではコロリという疫病が流行りだして、お染がとられてしまった。
— 織田作之助 『螢』 青空文庫
万延元年――かの井伊大老の桜田事変の年である。
— 岡本綺堂 『経帷子の秘密』 青空文庫
そして、筆を借りてそこの壁に詩を題し、終ると傍にいる二人の小供を抱き締めるようにしてさめざめと泣いていたが、やがて孫恪の方を向いて、「これから永のお別れをします」 と言って、着ていた着物を引裂いて投げ出したのを見ると、赭顔円目の一大老猿であった。
— 田中貢太郎 『碧玉の環飾』 青空文庫
ある日、秀吉が諸大老と朝鮮の事を議しているとき、黒田如水壁越しに、秀吉の耳に入るように放言して曰く、「去年大軍を朝鮮に遣わされしとき、家康か利家か、でなくば軍の道を知りたる拙者を遣わさるれば、軍法定まりて滞りあるまじく、朝鮮人安堵して日本に帰順し、明を征伐せんこと安かるべし。
— 菊池寛 『碧蹄館の戦』 青空文庫
大老酒井忠勝、老中松平信綱、阿部忠秋、土井利勝等の重臣、将軍家光の御前で評定して、会津侯保科|正之を征討使たらしめんと議した。
— 菊池寛 『島原の乱』 青空文庫
一体関東に於ける北条氏の地位は、伊勢新九郎(早雲)以来、氏綱、氏康、氏政と連綿たる大老舗の格だ。
— 菊池寛 『小田原陣』 青空文庫
江戸幕府の制度が整備したのは、三代の家光の時代で、その職制は、幕府の重職に大老、老中、若年寄の三役があり、その下に三奉行がある。
— 菊池寛 『二千六百年史抄』 青空文庫
作例 · 標準
井伊直弼は幕末の動乱期に大老という重職に就き、日米修好通商条約の調印を強行した。
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大老は江戸幕府において将軍を補佐する最高職だが、臨時にしか置かれないポストだった。
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歴史小説の中では、若き将軍の裏で実権を握る権謀術数に長けた大老が描かれている。
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ウィキペディア
大老(たいろう)は、江戸幕府の職制で、臨時に将軍の補佐役として置かれた最高職。
出典: 大老 — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0