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置き物

おきもの
名詞
1
標準
文例 · 用例
すなわち、(前略)長火鉢へだてて、老母は瀬戸の置き物のように綺麗に、ちんまり坐って、伏目がち、やがて物語ることには、──あれは、わたくしの一人息子で、あんな化け物みたいな男ですが、でも、わたくしは信じている。
太宰治 十五年間 青空文庫
私は、もうここの里人から、すっかり馬鹿にされて、どしどしお金を捲き上げられ、犬の毛皮を熊の毛皮だと言って買わされたり、また先日は、すりばちをさかさにして持って来て、これは富士山の置き物で、御出家の床の間にふさわしい、安くします、と言い、あまりに人をなめた仕打ち故、私はくやし涙にむせかえりました。
太宰治 新釈諸国噺 青空文庫
長火鉢へだてて、老母は瀬戸の置き物のように綺麗に、ちんまり坐って、伏目がち、やがて物語ることには、――あれは、わたくしの一人息子で、あんな化け物みたいな男ですが、でも、わたくしは信じている。
太宰治 火の鳥 青空文庫
長火鉢へだてて、老母は瀬戸の置き物のやうに綺麗に、ちんまり坐つて、伏目がち、やがて物語ることには、――あれは、わたくしの一人息子で、あんな化け物みたいな男ですが、でも、わたくしは信じてゐる。
太宰治 火の鳥 青空文庫
生れながらの古典人、だまっていても歴史的な、床の間の置き物みたいな私たちの宿命を、花さえ笑って眺めて居ります。
太宰治 古典風 青空文庫
床の間の、見事な石の置き物は、富士山の形であって、人は、ただ遠くから讃歎の声を掛けてくださるだけで、どうやら、これは、たべるものでも、触るものでもないようでございます。
太宰治 古典風 青空文庫
富士山の置き物は、ひとり、どんなに寒くて苦しいか、誰もごぞんじないのです。
太宰治 古典風 青空文庫
それからひと月もたって、B教授の形見だと言ってN国領事から自分の所へ送って来たのは大きな鋳銅製の虎の置き物であった。
寺田寅彦 B教授の死 青空文庫