藤袴
ふじばかま異読 フジバカマ
名詞
標準
thoroughwort (species of boneset, Eupatorium fortunei)
文例 · 用例
芒の蓬々たるあれば萩の道に溢れんとする、さては芙蓉の白き紅なる、紫苑、女郎花、藤袴、釣鐘花、虎の尾、鶏頭、鳳仙花、水引の花さま/″\に咲き乱れて、径その間に通じ、道傍に何々塚の立つなどあり。
— 寺田寅彦 『半日ある記』 青空文庫
青葉の雨を聞きながら―― 露を其のまゝの女郎花、浅葱の優しい嫁菜の花、藤袴、また我亦紅、はよく伸び、よく茂り、慌てた蛙は、蒲の穂と間違へさうに、(我こそ)と咲いて居る。
— 泉鏡花 『玉川の草』 青空文庫
秋の野に咲きたる花を指折りかき数ふれば七種の花 萩の花尾花葛花なでしこの女郎花また藤袴朝顔の花 朝顔が秋草の中に数へられると言へば、私達にとつて一寸意外な気がする。
— 岡本かの子 『秋の七草に添へて』 青空文庫
上代純朴なる時代に男女の詠めりし秋草に寄する心を聞けば 日置長枝娘子 秋づけば尾花が上に置く露の消ぬべくもわが念ほゆるかも 大伴家持 吾が屋戸の一枝萩を念ふ児に見せずほと/\散らしつるかも 萩、桔梗、女郎花は私に山を想はせ、刈萱は河原を、そして撫子と藤袴は野原を想はせる。
— 岡本かの子 『秋の七草に添へて』 青空文庫
あの頃は亡くなった父が秋草を北千住の家の裏庭に作っていたので、土曜日に上条から父の所へ帰って見ると、もう二百十日が近いからと云って、篠竹を沢山買って来て、女郎花やら藤袴やらに一本一本それを立て副えて縛っていた。
— 森鴎外 『雁』 青空文庫
野原に行くと、野菊や藤袴や、みやこ草や、みそはぎやが錦絵のやうに咲き乱れてゐるのでした。
— 野口雨情 『女王』 青空文庫
サラシナショウマの雪白なる穂状花は、角間川の渓流を挟み咲いて、女郎花、藤袴等と相靡くなど、生徒等の喜びは大したものだ。
— 島木赤彦 『女子霧ヶ峰登山記』 青空文庫
「秋園詠所見」の詩の中に藤袴の一絶がある。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫