瞬く間
またたくま
表現名詞
標準
brief moment
文例 · 用例
厚味の雲の奥で、日が茜さしたのか、東の空が一面に古代紫のように燻んだ色になった……富士の鼠色は爛れた……淡赭色の光輝を帯びたが、ほんの瞬く間でもとの沈欝に返って、ひッそりと静まった。
— 小島烏水 『白峰山脈縦断記』 青空文庫
これが若葉の縁に鈴成りに黒い頭を並べて、驚くべき食慾をもって瞬く間にあらゆる葉を食い尽さないではおかない。
— 寺田寅彦 『蜂が団子をこしらえる話』 青空文庫
あわあわしい白ら雲が空ら一面に棚引くかと思うと、フトまたあちこち瞬く間雲切れがして、むりに押し分けたような雲間から澄みて怜悧し気にみえる人の眼のごとくに朗らかに晴れた蒼空がのぞかれた。
— 国木田独歩 『武蔵野』 青空文庫
あるいはまたあたり一面にわかに薄暗くなりだして、瞬く間に物のあいろも見えなくなり、樺の木立ちも、降り積ッたままでまた日の眼に逢わぬ雪のように、白くおぼろに霞む――と小雨が忍びやかに、怪し気に、私語するようにバラバラと降ッて通ッた。
— 国木田独歩 『武蔵野』 青空文庫
水上が突然薄暗くなるかとみると、雲の影が流れとともに、瞬く間に走ってきて自分たちの上まで来て、ふと止まって、きゅうに横にそれてしまうことがある。
— 国木田独歩 『武蔵野』 青空文庫
大切な蝦五つ、瞬く間にしてやられて、ごうなになると、糸も動かさないなどは、誠に恥入るです。
— 泉鏡花 『悪獣篇』 青空文庫
聞きますると、私に、件の影を捉る魔ものの話を聞いてからは、瞬く間さへ、瞳に着いて、我と我が影が目前を離れぬ。
— 泉鏡太郎 『三人の盲の話』 青空文庫
恁う、唯吉が、見るも思ふも瞬く間で、「暑うござんす事……」 と其の人の聲。
— 泉鏡太郎 『淺茅生』 青空文庫
作例 · 標準
美しい夕焼けは瞬く間の出来事で、カメラを構えた頃には空はすっかり暗くなっていた。
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楽しい時間は瞬く間に過ぎ去り、気がつけばもう別れの時間が近づいている。
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事故は瞬く間のうちに発生し、周囲にいた誰もが何が起きたのか把握できなかった。
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