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解き

ほどき
名詞
1
標準
文例 · 用例
父の一昨年うせたる時も、母の去年うせたる時も、心からの介抱に夜るも帯を解き給はず、咳き入るとては背を撫で、寐がへるとては抱起しつ、三月にあまる看病を人手にかけじと思し召の嬉しさ、それのみにても我れは生涯大事にかけねばなるまじき人に、不足らしき素振のありしか。
樋口一葉 軒もる月 青空文庫
恭助は太く疲れて禮服ぬぎも敢へず横に成るを、あれ貴郎お召物だけはお替へ遊ばせ、夫れではいけませぬと羽織をぬがせて、帶をも奧さま手づから解きて、糸織のなへたるにふらんねるを重ねし寐間着の小袖めさせかへ、いざ御就蓐と手をとりて助ければ、何其樣に醉ふては居ないと仰しやつて、滄浪ながら寐間へと入給ふ。
樋口一葉 われから 青空文庫
おそらく夢の解説は、もつと不思議で解きがたく、謎の深い神祕の闇に低迷してゐる。
萩原朔太郎 青空文庫
君は冒險にして自由の人君は白い雲のやうに、この解きがたくふしぎなる愁ひをしる。
萩原朔太郎 蝶を夢む 青空文庫
あなたは默し さうして桃や李やの咲いてる夢幻の郷でことばの解き得ぬ認識の玄義を追ふか。
萩原朔太郎 定本青猫 青空文庫
さうして忘却の錨を解き 記録のだんだんと消えさる港を訪ねて行かう。
萩原朔太郎 定本青猫 青空文庫
それを伝へる為には、原詩の個々の言葉を解きほごして、煩瑣な註解をつけ加へる外はなく、結局やはり、訳者自身の創作として翻案する以外に手段はないのだ。
萩原朔太郎 詩の翻訳について 青空文庫
僕の心の底には、いくたびか一の解きがたい疑問が浮んだ。
萩原朔太郎 室生犀星に與ふ 青空文庫