鉄槍
てつやり
名詞
標準
文例 · 用例
その延びるときは百尺の鉄槍の如く、さッとひいて縮むときには一尺五寸の小鎌のようである。
— 花天狗流開祖 『落語・教祖列伝』 青空文庫
おのおの、太刀、弓矢、鉄槍などを帯びて、物々しく身を鎧い、「さあ、行こうぜ」 と、気負いを見せた。
— 吉川英治 『新・水滸伝』 青空文庫
十河存保の陣所として、鉄槍や武者の影に埋まっている。
— 第三分冊 『新書太閤記』 青空文庫
漠々、立ちこめる硝煙の霽れるを待たず、次には、間髪をいれず、鉄槍鉄甲の武者が敵へ向って、その下を掻いくぐっていた。
— 第八分冊 『新書太閤記』 青空文庫
ゆうべは―― 甲の忍び緒をしめ、鉄槍鉄砲を草むらに匍わせて、秀吉の生命を道にうかがった猛者どもも、きょうは烏帽子して、素襖、小素襖、天正裃などを美しく着つらね、弓は袋に、槍|薙刀も鞘に、何くわぬ行装のもとに蜿蜒と城へさしてゆく。
— 第八分冊 『新書太閤記』 青空文庫
眼前に、一戦は必至と、われとわが殺気に昂ぶり立っていたところだけに、駒を降りて楚々、慇懃な礼をしつつ、静かに進んで来た伊木半七郎の優美な身なりが、あたりの鉄槍や火縄のにおいに比して、妖しいもののようにまで眼をひいた。
— 第八分冊 『新書太閤記』 青空文庫
そして、東門の前田口には、家康自身が、その馬じるしたる金扇の下に、旗本たちの鉄槍陣をまんまると従え、前二段に、鉄砲隊を布き、大物見を、その先に伏せさせ、さて、いつでもと落着きすました。
— 第十一分冊 『新書太閤記』 青空文庫
信雄も、意外なものに打たれてまごついたが、鉄槍、甲冑、物々しく固くなっていたかれの将士も唖然とした。
— 第十一分冊 『新書太閤記』 青空文庫