歯入れ
はいれ
名詞
標準
repairing clogs
文例 · 用例
それを又逆にして、若し、文学者の職業を男子一生の事業とするに足ると云うならば、大工も豆腐屋も下駄の歯入れ屋も男子一生の事業とするに足ると言っても差支えない。
— 夏目漱石 『文芸は男子一生の事業とするに足らざる乎』 青空文庫
お妙が奈良漬にほうとなった、顔がほてると洗ったので、小芳が刷毛を持って、颯とお化粧を直すと、お蔦がぐい、と櫛を拭いて一歯入れる。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
三光町の裏小路、ごまごまとした中を、同じ場末の、麻布田島町へ続く、炭団を干した薪屋の露地で、下駄の歯入れがコツコツと行るのを見ながら、二三人共同栓に集った、かみさん一人、これを聞いて、「何だい、その言種は、活動写真のかい、おい。
— 泉鏡花 『白金之絵図』 青空文庫
まだ見習いで、十分にのうてねえ、くらしはお姑さんが、おもに取仕切ってやもんですから、あんさん、それは酷いぞね――半月おきには、下駄の歯入れや、使いまわしも激しいし……それさえ内へ強請りに来るがね。
— 泉鏡花 『卵塔場の天女』 青空文庫
下駄の歯入れだの、蝙蝠傘直しだの、牛乳の車を曳いた男だのが……。
— 田山録弥 『中秋の頃』 青空文庫
通り名は平助、あだ名は下駄平、歯入れ、鼻緒のすげ替えを稼業にいたしおるとこの調べ書にあるが、ほんとうか」「へえ、さようで。
— 闇男 『右門捕物帖』 青空文庫
稼業のほうはたしかにげたの歯入れ屋でごぜえますが、あだ名のほうはあっしがつけたんじゃねえ、世間がかってにつけたんでごぜえますから、しかとのことは存じませぬ」「控えろッ。
— 闇男 『右門捕物帖』 青空文庫
なんしろ、この長雨じゃ、いくら雨に縁のある歯入れ屋でも上がったりで、お客さまもまた気を腐らしてしみったれになったか、いっこうご用がねえもんだから、親子三人干ぼしになって死ぬよりゃ牢へはいったほうがましと、せがれに緒を切らして回らしたんでござんす」「なんだと!
— 闇男 『右門捕物帖』 青空文庫
作例 · 標準
熟練の職人が使い古された下駄を預かり、手際よく歯入れをして新品同様に直した。
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「この下駄、随分と歯がすり減ったな。そろそろ歯入れに出さないといけない」
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歯入れの技術を持つ職人は年々減っており、今では非常に貴重な存在となっている。
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