赫
あか
名詞
標準
文例 · 用例
岬の端には煉瓦工場が、工場の庭には煉瓦干されて、煉瓦干されて赫々してゐたしかも工場は、音とてなかつた煉瓦工場に、腰をば据ゑて、私は暫く煙草を吹かした。
— 亡き児文也の霊に捧ぐ 『在りし日の歌』 青空文庫
木橋の、埃りは終日、沈黙し、ポストは終日|赫々と、風車を付けた乳母車、いつも街上に停つてゐた。
— 亡き児文也の霊に捧ぐ 『在りし日の歌』 青空文庫
その裏の高くなつて赫土の露き出しになつてゐる所は、削け方まで昔のまゝであるのにはなんだか異様な気持がした。
— 中原中也 『金沢の思ひ出』 青空文庫
」云ひながら彼(一字不明)その面積の広い赫ら顔をシカめて、その前で手を振るのだつた。
— 中原中也 『古本屋』 青空文庫
これは普通火山で見受ける、赫く焦げた熔岩とは思えないので、道者連は真石と称えているが、平林理学士に従えば、橄欖輝石富士岩に属しているそうだ。
— 小島烏水 『高山の雪』 青空文庫
しかもこの懐疑の黒煙に天の霊火移りし故、遂に最終章に示すが如き光耀赫々たる大信仰に入ったのである。
— 内村鑑三 『ヨブ記講演』 青空文庫
色合いは赫色がかった熱帯色。
— 吉行エイスケ 『新種族ノラ』 青空文庫
プノンペンの街、タマリンドの街路樹、メコン河の流れ、シソワット王の城内、彼方には椰子の林があり、赫熱とした熱帯の強烈な太陽の直射と、熱風を避けた王城内でノラの母はシソワット王と廷臣の居並ぶ玉座のまえで、オーケストラと数十人の唄い手の歌声のなかで華麗な彼女はカンボジヤの踊りを舞うのだった。
— 吉行エイスケ 『新種族ノラ』 青空文庫