微視
びし
名詞
標準
文例 · 用例
凡そ物の見方に巨視的と微視的と云ふことがある。
— 狩野亨吉 『歴史の概念』 青空文庫
前者は五官により物の表面を見る立場を云ひ、後者は裏面に徹し精密に吟味する立場を云ふのであるが、物的現象と雖も微視的に考察することになると、甚だ困難を感ぜしめ、終には分らないところに達するのである。
— 狩野亨吉 『歴史の概念』 青空文庫
そこで普通の意味を考ふれば、物的現象は巨視的には林檎の落ちるに氣が附く如く、馬鹿も知ることが出來るが、微視的には眼にも見えぬ小さいくせに、因果法何物ぞと空嘯く怪物が目の前に群集するを認めざるを得ざる如く、釋迦も手古摺る難物である。
— 狩野亨吉 『歴史の概念』 青空文庫
しかしながら微視的には往々五里霧中に彷徨する如き感を抱かしめられることあるは止むを得ないのである。
— 狩野亨吉 『歴史の概念』 青空文庫
茲に至り吾人の知るを得たるは、事實網は巨視的には整然たる體系を現し、疑ふべからざる存在であるが、微視的には未だ人知を以て闡明すべからざる地盤上に立つものである。
— 狩野亨吉 『歴史の概念』 青空文庫
故に事實網の考察は飽くまで巨視的に擴張し、微視的に徹底し、古今を通し東西を盡して繼續すべきものである。
— 狩野亨吉 『歴史の概念』 青空文庫
是は學者の微視觀により明にせられたのであるが、中間事實の變化することは、巨視觀により常識を以て承認することが容易である。
— 狩野亨吉 『歴史の概念』 青空文庫
そこで古今の哲人が巨視的にも微視的にも考察を※し、到達し得た一致の結論を要約すると、宇宙の隅から隅まで瀰漫する事實網の一々の事實は、大となく小となく密接に相關聯して脈動し、二六時中靜止することなく、刻々に變化を生起し、其結果事實網は新なる状態に移行する。
— 狩野亨吉 『歴史の概念』 青空文庫