当区
とうく
名詞
標準
文例 · 用例
糟谷が上京以来たえず同情を寄せて、ねんごろまじわってきた、当区の畜産家西田という人が、糟谷の現状を見るにしのびないで、ついに自分の手近に越さしたのであるが、糟谷が十年|住んでおった、新小川町のとにかく中流の住宅をいでて、家賃十円といういまの家へ移ってきたについては、一|場の悲劇があった結果である。
— 伊藤左千夫 『老獣医』 青空文庫
当区内の鵞口瘡は此六日を以て悉皆主治したとの話をした十二日 午前警視庁の巡回獣医来る 健康診断のためである。
— 伊藤左千夫 『牛舎の日記』 青空文庫
平安朝の初の内は、発音としてはなくなってしまったでしょうが、仮名の上には相当区別が見えるのであります。
— 橋本進吉 『古代国語の音韻に就いて』 青空文庫
当区域受持の警官も、稲葉家では、(笑う。
— 泉鏡花 『日本橋』 青空文庫
当区に於ける唯一の在留邦人なれど暫らく往来なし。
— 牧野信一 『サフランの花』 青空文庫
ある区会議員の選挙演説では、当区内の浴場をぜひよく致しますといわれました。
— 宮本百合子 『社会と人間の成長』 青空文庫
私は当区――町――丁目――番地居住、佐々木信一郎と申すものでございます。
— 芥川龍之介 『二つの手紙』 青空文庫
私は今日限り、当区に居住する事を止めるつもりでございます。
— 芥川龍之介 『二つの手紙』 青空文庫