思い耽る
おもいふける
動詞
標準
文例 · 用例
これ故に老農は青年の徒座(働かないで、ただ座っている)を悪む、徒座は徒思(ムダに思い耽る)の相であって、徒思は懶惰の初め、懶惰は仕事を打ち捨てて悪に走る源なので、農業の道も学問を尊んで徒思を嫌うのである。
— 幸田露伴 『悦楽(現代訳)』 青空文庫
が、次第に彼は茫然として思い耽るばかりだった。
— 原民喜 『苦しく美しき夏』 青空文庫
その為に深夜までも思い耽る、朝も遅くなる、つい怠り勝に成るような仕末。
— 島崎藤村 『並木』 青空文庫
いったいどういう人だろうか、不具廃疾者だろうか、余りに純粋無垢なのだろうか、などと、吉岡はいつしか彼女のことを思い耽るようになった。
— 豊島与志雄 『一つの愛情』 青空文庫
思い耽ると、彼女はすぐ近くに在ったがその姿は捉えようがなかった。
— 豊島与志雄 『一つの愛情』 青空文庫
若狭守貞継はなにかじっと思い耽るような眼をした、それから気を変えるように頷いてこう云った。
— 山本周五郎 『落ち梅記』 青空文庫