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軽軽

けいけい
名詞
1
標準
文例 · 用例
大部屋の女優に対する劇作家の態度にしては、一寸軽軽しすぎるくらい、丁寧だった。
織田作之助 夜の構図 青空文庫
「私が寝台の上へ乗つけやう、その代り、奥様の後で、私がいびるんですよ、」 年増はふうふうふうと云ふやうに笑ひながら、譲の体を軽軽と抱きあげて寝台の上へ持つて行つた。
田中貢太郎 蟇の血 青空文庫
(放せ、何をする、彼奴をそのままにしておいて、俺を殺さすつもりか、) 殻のやうに痩せた病人の体は、軽軽と離屋の方へと持ち運ばれた。
田中貢太郎 黒い蝶 青空文庫
」 冗談にまぎらせてそう呟くものの、事実矢代は氷河の尾根を軽軽と乗り越す千鶴子に疲労の様子の少しもないのを見ては、振り向く度びに胸に光る彼女のブローチの金具が腹立たしかった。
横光利一 旅愁 青空文庫
外国へまいりましたときは、帰れば母との約束のまま、母の奨める人とと、そんなに軽軽しく考えておりましたのに、こんなに自分も変ってしまいましたのは、どういう神さまのお気持ちでございましょうか。
横光利一 旅愁 青空文庫
」 特に真面目に聞くべきことでも無論なく、今は過ぎ去ったこととして軽軽と取り扱う千鶴子の返事に、矢代は、この人の過去には自分との間に似た幾経過もあったこととも察せられて来るのだった。
横光利一 旅愁 青空文庫
殊に久慈のそのときの軽軽しい諧謔が、旅先とはいえ眼について、傍にいた真紀子の洋装まで品下った皺の潜むように見え、初めの悽艶な句にまで挿話の汚紋が滲みのぼって来る曇りを覚えた。
横光利一 旅愁 青空文庫
けれども亦彼等の作品を一笑してしまふ人人にもやはり軽軽に賛成出来ない。
芥川龍之介 澄江堂雑記 青空文庫