羽搏き
はばたき
名詞動詞-サ変
標準
fluttering or flapping of wings
文例 · 用例
これらの不幸な人々のうちのきわめて少数なあるものだけは、微塵に砕けた残骸から再生する事によって、始めて得た翼を虚空に羽搏きする。
— 寺田寅彦 『厄年と etc.』 青空文庫
アメリカン・レビューにはそういう古典的な意味での音楽などはない代りに、オリンピックのグラウンドや拳闘のリンクに見らるる活力の鼓動と本能の羽搏きのようなものをいくらかでも感ずることが出来るのであった。
— 寺田寅彦 『マーカス・ショーとレビュー式教育』 青空文庫
それから、また直ぐに、近常さんが、人の顔と頭の間で、ぐっと鶏の蹴爪を圧えたんですってね、場合が場合だもんだから、何ですか……台の車が五六尺、ひとりでにきりきりと動出すのに連れられて、世に生れて、瞳の輝く第一番に、羽搏き打って、宙へ飛ぼうとする処を、しっかり引留めたようでしたとさ。
— ――(前題――楊弓) 『ピストルの使い方』 青空文庫
そこに、わたくしをして、それほど強い羽搏きをしたがらせず、神妙に寮に落付かせている鬱陶しいゆとりをあらしめたのでございましょう。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
彼のその足音に驚いて、この地方特有の山鳥が枝から枝へと、銀光の羽搏きを打ちながら群れをなして飛んだ。
— 佐左木俊郎 『恐怖城』 青空文庫
情に堪えないで、そのまま抱緊めでもしようものなら、立処にぱッと羽搏きを打つ……たちまち蛇が寸断になるんだ。
— 泉鏡花 『星女郎』 青空文庫
男のひとりは伏せ籠を持って来て、暴れ狂う鶏をどうにか斯うにか押し込んだが、かれはその籠を破ろうとするように、激しく羽搏きして暴れ狂っていた。
— 大森の鶏 『半七捕物帳』 青空文庫
いつもの云いがかりとは違って、それがほんとうに大切の鷹を驚かしたらしく、俄かに羽搏きをあらくした鷹はその緒を振り切って飛び起った。
— 鷹のゆくえ 『半七捕物帳』 青空文庫
作例 · 標準
小鳥の羽搏きが、静かな朝の空気に響いた。
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希望を胸に、彼は新しい世界へ羽搏きを始めた。
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蝶の繊細な羽搏きは、生命の儚さを象徴しているようだった。
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