多肉
たにく
名詞-の形容詞形容動詞名詞
標準
fleshy (of a plant or fruit)
文例 · 用例
桃色|珊瑚ででも彫刻したようで、しかもそれよりももっと潤沢と生気のある多肉性の花弁、その中に王冠の形をした環状の台座のようなものがあり、周囲には純白で波形に屈曲した雄蕊が乱立している。
— 寺田寅彦 『高原』 青空文庫
身につけたものを悉く脱ぎすてて、狡そうな画家の眼の前に立ったモデル女の上気した肌の羞恥を、そのまま大根のむっちりした肉つきに感じるのはこの時で、あの多肉根が持つなだらかな線と、いたいたしいまでの肌の白さと、抽き立てのみずみずしさとは、観る人にこうした気持を抱かせないではおかない。
— 薄田泣菫 『艸木虫魚』 青空文庫
葉も花も多肉性と鞏靱性に富み、色彩が濃厚鮮明である。
— 與謝野寛、與謝野晶子 『巴里より』 青空文庫
僕には未だ翁の近年の作の妙味が十分|会得せられないが飽迄も若若しい此翁の心境は例の真夏の花を嗅ぐ様な豊艶多肉な女を倦む色もなく描いて居る。
— 與謝野寛、與謝野晶子 『巴里より』 青空文庫
この蓮肉は学問上でいう子葉で、元来二片より成り、多肉で半球形をなしその辺縁は相接着して球形を呈し、その中部は空洞となり、そこにいわゆるとも称えます。
— 牧野富太郎 『植物記』 青空文庫
今その一例を挙ぐれば蓮の花は彼の多肉な蓮根から出て咲いているという謬想を打破してこれを是正した類である。
— 牧野富太郎 『植物記』 青空文庫
この介の一端から突出した多肉な水管にミルが寄生し、その状あたかもこの介がミルを食いつつあるように見えるので、それでこの介はミルクイ(ミル喰イ)と呼ばれる。
— 牧野富太郎 『植物一日一題』 青空文庫
地中に直下する根は多肉で、桔梗根と称し※痰剤となるので、したがってこの桔梗がたいせつな薬用植物の一つとなっている。
— 牧野富太郎 『植物知識』 青空文庫