稲麻
いねあさ
名詞
標準
文例 · 用例
陣屋は塗籠め、小路を割り、人数繁きこと、稲麻|竹葦の如し」 と『北条五代記』にある。
— 菊池寛 『小田原陣』 青空文庫
まさに稲麻竹葦であった。
— 国枝史郎 『八ヶ嶽の魔神』 青空文庫
」而して白旗直に法住寺殿を指し、刀戟霜の如くにして鉄騎七千、稲麻の如く御所を囲み乱箭を飛ばして、天台座主明雲を殺し、院側の姦を馘るもの一百十余人、其愛する北国の勇士、革命の健児等をして凱歌を唱へしむる、実に三たび。
— 芥川龍之介 『木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)』 青空文庫
けれどもこうして、すべての桟敷も埋まり、見物も稲麻竹葦の如く集まっているのに、今日の催しの主催者であるべき駒井能登守が見えないのに、なんとなく物足りない気持をしているものもありました。
— お銀様の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
その他の連中は番組を見たり冗談を言ったり、対岸の桟敷と、場内に稲麻竹葦と集まった群集をながめていたりして、競馬の始まるのを待っています。
— お銀様の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
世界に稲麻竹葦の如し。
— 和辻哲郎 『日本精神史研究』 青空文庫
」ただこの身心をもって法の容器とするときにのみ、我らの身心は稲麻竹葦よりも価値あるものとなる。
— 和辻哲郎 『日本精神史研究』 青空文庫
一切の人は、その稲麻竹葦のごとき身心を法の容器となし得るがゆえに、平等に待遇さるべきである。
— 和辻哲郎 『日本精神史研究』 青空文庫