当意
とうい
名詞
標準
文例 · 用例
平常は冗談口を喋らせると、話術の巧さや、当意即妙の名言や、駄洒落の巧さで、一座をさらって、聴き手に舌を巻かせてしまう映画俳優で、いざカメラの前に立つと、一言も満足に喋れないのが、いるが、ちょうどこれと同様である。
— 織田作之助 『大阪の可能性』 青空文庫
さらに頭の回転が速く、通り一遍の者が投げかける冷やかしにも、当意即妙に返事をする。
— THE MAN WITH THE TWISTED LIP 『唇のねじれた男』 青空文庫
ロンドンの街ではどんな乞食でも年収七〇〇ポンドというわけには参りませんが――僕の平均収入はそれを越えて――ですが、それは扮装の力という特別の利や、当意即妙の腕前もありましたし、それもやっているいうちに上達して、そのおかげで中心区でも顔が知られるようになりました。
— THE MAN WITH THE TWISTED LIP 『唇のねじれた男』 青空文庫
彼は、自分の当意即妙に、自分で感心した。
— 菊池寛 『仇討三態』 青空文庫
それを今詳しく述べている暇もないし、また詳しく述べたところが、僕の初めの想像と後の事実とは相当意外な開きを見せることになるので、肝腎の契約重点だけをここに述べて置こう。
— 海野十三 『宇宙尖兵』 青空文庫
そうしてこれこそ我ら茨組の、最後の芸当にござります」 当意即妙のこの言葉には、武士たちも群集も範覚も、笑うよりほか仕方なかった。
— 国枝史郎 『あさひの鎧』 青空文庫
女子と老人と向かい合って立つ)領主 嬢の美しさが銀の竪琴の音のようだとは、当意即妙の讃辞。
— 国枝史郎 『レモンの花の咲く丘へ』 青空文庫
キヤバレエには伊太利人の音楽や踊子の踊があり、又気取つた風をした即興詩人が二三人も居て当意即妙の新作を歌ふ。
— 與謝野寛、與謝野晶子 『巴里より』 青空文庫