至理
しり
名詞
標準
文例 · 用例
当時|崛強の男で天下の実勢を洞察するの明のあつた者は、君臣の大義、順逆の至理を気にせぬ限り、何ぞ首を俯して生白い公卿の下に付かうやと、勝手理屈で暴れさうな情態もあつたのである。
— 幸田露伴 『平将門』 青空文庫
道義宗教の上のみでは無い、數學天學地學、乃至理學化學其の他の學科に就いて、我が信ずるところと我との一致の自覺は、明らかに其の人をして十二分に其の氣を張らしむるに疑無い。
— 幸田露伴 『努力論』 青空文庫
『抱朴子』の至理の巻に、呉の賀将軍、山賊を討つ、賊中、禁術の名人あって、官軍の刀剣抜けず、弓弩皆還って自ら射る。
— 鶏に関する伝説 『十二支考』 青空文庫
然らば、ロシアのレニン一派のやつてゐるやうな横断は、何うかと言ふに、あれはまた『人間なるが故に』の提唱についての自覚乃至理解が深くないために、平凡な平等主義、主として外面の平等主義に堕してゐると思ふ、矢張また自己の心理の縦断を完全に行つてゐないのである。
— 田山録弥 『心理の縦断と横断』 青空文庫
それは the Way(行路)、the Absolute(絶対)、the Law(法則)、Nature(自然)、Supreme Reason(至理)、the Mode(方式)、等いろいろに訳されている。
— 茶の本 『茶の本』 青空文庫
しかしてこの政論派は立憲政体の至当を認め自由制度の至理を認め毫も旧時の慣例に固着するところあらず、しからば自ら保守と称すといえどもその実はむしろ激烈なる進歩主義と言わざるべからず。
— 陸羯南 『近時政論考』 青空文庫
如何なる思想乃至理論も人間獣の依然たる限りは人間獣の一生を支配する能はず。
— 芥川龍之介 『小説作法十則』 青空文庫
今この道徳の立場、即ち文学の立場が、科学乃至理論の立場とどこで異るかを説いている暇がない。
— 戸坂潤 『思想と風俗』 青空文庫