猩紅
しょうこう
名詞
標準
文例 · 用例
灰色の亜鉛の屋根に、青銅の擬宝珠の錆に、また寒き万象の愁のうへに、爛れ弾く猩紅熱の火の調、狂気の色と冷めがたの疲労に、今はひた嘆く、悔と、悩と、戦慄と。
— 北原白秋 『邪宗門』 青空文庫
便即披靡而泄矣、取出羅※視之、只見猩紅亂點、遂呼侍婢藏之笥匣、原來此晩、他二人叙話、至雲雨之際、了音婉娘小玉(玉卿の三妾)倶在房外、窺听前々後々、無不聽説、云々。
— 南方熊楠 『蓮の花開く音を聽く事』 青空文庫
先ず猩紅熱からして、ね。
— 一九四三年(昭和十八年) 『獄中への手紙』 青空文庫
三つの子供が、猩紅熱、チブス、ハイエンとやってもちこたえたというにはおどろいた。
— 一九四四年(昭和十九年) 『日記』 青空文庫
」 十二年の間、重吉は彼を積極的に生かそうとする意志が一つもない環境の中で、猩紅熱から腸結核、チフスと患って、死と抵抗して来た。
— 宮本百合子 『風知草』 青空文庫
特にフランスへ帰ろうとしていたセバストーポリの宿で、ジイドは、彼の親愛な若い友人ウージェヌ・ダビを、猩紅熱で失った。
— 宮本百合子 『ジイドとそのソヴェト旅行記』 青空文庫
そのあとに悴が猩紅熱で、まあ日夜つきッきりでした。
— 徳冨蘆花 『不如帰 小説』 青空文庫
その度毎に血の池の水の色が、猩紅になったり、緋色になったりするだけの変化はある。
— 弁信の巻 『大菩薩峠』 青空文庫