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払い除ける

はらいのける
動詞
1
標準
文例 · 用例
僕、今日苦しんでるんだ」 薫は肘で払い除けるが、小初は関わず背筋へ入れた砂をぽんぽんと平手で叩き均らして、「ちっとも苦しんでるように見えないわ」「この間、水の中で君に…………、こんなに腫れた」 薫は黒くなっている唇の角をそうっと大事に差し出して見せる。
岡本かの子 渾沌未分 青空文庫
彼は必死になって※いて漸くその恐しい指を払い除けることが出来たが、今度はピストルの金具の鳴る音を聞き、そして彼の頭を真直ぐに狙っているギラギラ磨かれた銃口とずんぐりとした汚れた男の顔と向き合った。
The Portrate of Dorian Gray 絵姿 青空文庫
若し雄吉が河野であったならば、そうした救助の手を、憤然として払い除けるに、躊躇しないと思った、払い除けるばかりでなく、相手のそうした侮辱に対し、相当な復讐をさえ企図するかも知れぬと思った。
菊池寛 神の如く弱し 青空文庫
けれども、結局この船に付いた怪痴を払い除ける事は出来なかったらしい。
夢野久作 幽霊と推進機 青空文庫
その手を払い除けると、一度投棄てた黒い棒を取上げて身軽く事務員風の男の背後にまわった。
夢野久作 オンチ 青空文庫
「駄目ですよ、」 京子は二人の手を払い除けるやうにして茶の間の方へと行つた。
田中貢太郎 あかんぼの首 青空文庫
このような際の結婚の問題は、平和な日の結婚の内容に傘かむって来る自分の気持ちがうるさいばかりでなく、さらに相手にも同様に増して来るその傘を、払い除ける手間ひまの煩わしさに加えて、要らざるこちらの腹さえさぐられる不愉快さも量を増し、ために日ごろの良質のものまで姿をかき消す惧れもあった。
横光利一 旅愁 青空文庫
けれど秀子の災難は余の思ったより切迫して居て、又実際余の力で払い除ける事の出来ぬ様な恐ろしい秘密的の性質であった。
黒岩涙香 幽霊塔 青空文庫