覚え立て
おぼえたて
名詞
標準
文例 · 用例
平生なら、そらサヴェジ・チーが出たと冷やかすのだが、主人一人に対してすら痛み入っている上へ、妙齢の女性が学校で覚え立ての小笠原流で、乙に気取った手つきをして茶碗を突きつけたのだから、坊主は大に苦悶の体に見える。
— 夏目漱石 『吾輩は猫である』 青空文庫
何時でも覚えたてというものは、それに心の惹かれることの強いものである。
— 幸田露伴 『蘆声』 青空文庫
少年は覚えたてのあらゆる知識を述べたてた。
— JEAN CHRISTOPHE 『ジャン・クリストフ』 青空文庫
後者は、専門家の乱麻をところどころ解いてゆきながら、覚えたての知識をみずから証明して喜んでいた。
— JEAN-CHRISTOPHE 『ジャン・クリストフ』 青空文庫
それにクリストフの方では、フランス語のしゃべり方がまずく、覚えたての隠語やまた下等な言葉まで交え、しかもそれらを多くの外国人のように不適当に使っていたので、レヴィー・クールの戦術を失敗に終わらせることは不可能だった。
— JEAN-CHRISTOPHE 『ジャン・クリストフ』 青空文庫
――彼は、子供が覚えたてのいろはを口誦さむようにあわてて、「な、む、あ、み、だ、仏」そういって、「痛かったか弁円」と、抱き起した。
— 吉川英治 『親鸞』 青空文庫