青瓜
あおうり
名詞
標準
文例 · 用例
白いのは白瓜で青いのは青瓜であります。
— 長塚節 『白瓜と青瓜』 青空文庫
隣合つた青瓜と白瓜とはずん/\手を伸ばして其細いくるくると卷いた髭のやうなもので、互に握り合ふばかりに成りました。
— 長塚節 『白瓜と青瓜』 青空文庫
かうして白瓜はどこまでも白く、青瓜は油ぎつたつやゝかさを保つて、共につゝましく麥藁の上に横はります。
— 長塚節 『白瓜と青瓜』 青空文庫
只夫婦が市場へ曳いて行く籠の中には青瓜が油ぎつたつやゝかさを保つて白瓜が依然として美しい白さを保ちながら微笑んで居ました。
— 長塚節 『白瓜と青瓜』 青空文庫
また小栗宗湛の『青瓜図』をも見たことがあった。
— 薄田泣菫 『艸木虫魚』 青空文庫
二つの絵に共通の点は、こうした自然物に対する深い愛と、大きな瓜に小さな昆虫を配したところにあるが、軽い羽をもった赤蜻蛉も、反抗心に燃えている螳螂も、どっかりと横に寝そべったあの青瓜の大頭の前に出ては、何となく気圧されがちに見えるのもおもしろいと思った。
— 薄田泣菫 『艸木虫魚』 青空文庫
図はずれに大きくなり過ぎた頭の重みから、絶えず生命の悩ましさと危さとを感じて、慢性の脳神経衰弱症にとりつかれている、この幼馴染の青瓜を思うと、私は実際気の毒でならない。
— 薄田泣菫 『艸木虫魚』 青空文庫
私は襤褸屑のように破けた葉っぱを纏った、貧乏な、頭痛持らしく額に筋を立てている青瓜を見る度に、あの蝋色の胡粉を散らした歪形な頭の下に、せめて枕だけは柔かいのをあてがってやりたく思うことがよくある。
— 薄田泣菫 『艸木虫魚』 青空文庫