使い先
つかいさき
名詞
標準
the place where one is sent on an errand
文例 · 用例
私はその時分はまだ小僧で、師匠に幸吉々々と可愛がられ重宝がられたもので、使い先のことはもとより、お伴も毎々のことで、辻屋でも、三枝さんでも、また柏木家でも師匠と多少とも関係交渉のあった家は何処でも知っており、また種々な事件の真相なども大方は心得ておったものでありました。
— 大隈綾子刀自の思い出 『幕末維新懐古談』 青空文庫
どうせ帰りは夜になる、使い先だが、まあ一杯ぐらいはよかろうとはいりこんだのが、ついに二杯三杯と腰がすわって、久七すっかりいい気持ちになってしまった。
— 林不忘 『つづれ烏羽玉』 青空文庫
使い先から家へ寄ったりしても決して家へ上げてはならないぞ」と、母も云われ、ぼくも云われていた事なので、父の顔恐さに、思い止まって、途中から空しく帰ってしまったのである。
— ――四半自叙伝―― 『忘れ残りの記』 青空文庫
彼が密かに一挺の三味線を手に入れようとして主家から給される時々の手あてや使い先で貰う祝儀などを貯金し出したのは十四歳の暮であって翌年の夏ようよう粗末な稽古三味線を買い求めると番頭に見咎められぬように棹と胴とを別々に天井裏の寝部屋へ持ち込み、夜な夜な朋輩の寝静まるのを待って独り稽古をしたのである。
— 谷崎潤一郎 『春琴抄』 青空文庫
厩へ馬をもどし、石舟斎の草庵へ帰って、使い先のもようを話すと、「そうか、怒ったか」 石舟斎は笑って、「それでいい。
— 水の巻 『宮本武蔵』 青空文庫
「返事をよこしたよ」 庄田喜左衛門の返事をそこへさし出して、ふた言三言、使い先の様子を話していると、顔からぼとぼと血がながれてくる。
— 水の巻 『宮本武蔵』 青空文庫
もっとも使い先が柳生家であり、木村助九郎という知人もいるので、子供だし、まあ遊んで行けと、ひき止められて、いい気になっているのかも知れない―― で、案じながらも、それについては、さして心を労してはいないが、きのうの朝から、刀を持って向っている観音像の彫りには、だいぶ心身のつかれを彼は覚えていた。
— 空の巻 『宮本武蔵』 青空文庫
お使い先で、グウグウ寝てしまったのは、まったくこの竹童、悪いやつでございました。
— 吉川英治 『神州天馬侠』 青空文庫
作例 · 標準
「この書類、〇〇様宛ての使い先なので、急いで届けてください。」
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彼は、急ぎの伝言を預かり、指定された使い先へと向かった。
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依頼された品物は、丁重に梱包され、予定の使い先に無事届けられた。
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