藤の実
ふじのみ
名詞
標準
文例 · 用例
元禄7年、『藤の実』を刊行。
— 辻潤 『風狂私語』 青空文庫
藤の実の減りかたのはげしいのを見てもわかる。
— 火野葦平 『花と龍』 青空文庫
雉子は、藤の実を蓄めて、食糧対策を講じるとじゃけ、遠方には行っとらん。
— 火野葦平 『花と龍』 青空文庫
そのモダマというのは正しい名かどうか知らぬが、伊良湖で椰子とともに私が拾った中にも、藤の実の形をして莢が二尺もあり、堅く扁たい濃茶色の豆をもったものを、土地でもモダマと呼んでいたから同じもので、産地季節が同じかったために、偶然に長い海上の旅を共にすることがあったのであろう。
— 柳田国男 『海上の道』 青空文庫
先生が晩年書かれた「生命と割れ目」や「藤の実の研究」などの論文の題目だけ聞いておられる一部の読者は、先生は今のいわゆる「正統派」の物理学、すなわち相対論や原子論の方面には全く興味を持たれなかったかのように思われるかも知れないが、実は決してそうではなかった。
— 中谷宇吉郎 『先生を囲る話』 青空文庫
「藤の実の割れ方の研究」「椿の花の落ち方について」「生命と割れ目」などの論文がその一面を物語っている。
— 中谷宇吉郎 『文化史上の寺田寅彦先生』 青空文庫
漢語の所謂戦袍で、斎藤実盛の涙ぐましい談を遺したのも其の鎧直垂に就いてである。
— 幸田露伴 『蒲生氏郷』 青空文庫
其中、特に多く言はれて居るのは、斎藤実盛に仮托して説かれて居るものであるが、これの大きな原因と考へられるものは、琵琶僧が、凶悪除けに語つた物語から、出て居るのであらうと言ふ事だ。
— 折口信夫 『偶人信仰の民俗化並びに伝説化せる道』 青空文庫