擁剣
擁剣
名詞
標準
文例 · 用例
2 海に棲むものに擁剣蟹がいる。
— 薄田泣菫 『艸木虫魚』 青空文庫
擁剣蟹は、脚の附け際の肉がうまいので知られているが、獲られた日によってひどく肉の肥痩が異うことがある。
— 薄田泣菫 『艸木虫魚』 青空文庫
」 魚屋の言葉を真実だとすると、擁剣蟹は白熱した太陽の正視を怖れているのみならず、また青白い満月の流盻をすらも嫌がっているのだ。
— 薄田泣菫 『艸木虫魚』 青空文庫
こんな性分の擁剣蟹にとっては、一月でもいい、月のない夜が、せめて満月の出ない夜が、どんなにか望ましいことだろう。
— 薄田泣菫 『艸木虫魚』 青空文庫
してみると、擁剣蟹がどんなに嫌がったところで、青白い顔をした満月は、月に一度はきっと海の上を見舞うにきまっているので、明るみを好まないこの蟹は、そんな夜になると、静かな波の響にも、青ざめた光の不気味さに怯えつつ、海底の土にでもこっそり潜っている外はなかった。
— 薄田泣菫 『艸木虫魚』 青空文庫
やがて闇の夜が来ると、擁剣蟹は急に元気づいて活躍を始める。
— 薄田泣菫 『艸木虫魚』 青空文庫