淋漓
りんり
副詞-と形容詞-たる
標準
(dripping) profusely
文例 · 用例
したしたとながれにじむをあなやと両の拳もてしかとおさえたれど、留まらで、とうとうと音するばかりぞ淋漓としてながれつたえる、血汐のくれない衣をそめつ。
— 泉鏡花 『龍潭譚』 青空文庫
想うに渠が雪のごとき膚には、剳青淋漓として、悪竜焔を吐くにあらざれば、寡なくも、その左の腕には、双枕に偕老の名や刻みたるべし。
— 泉鏡花 『義血侠血』 青空文庫
女仙外史の人の愛読|耽翫を惹く所以のもの、決して尠少にあらずして、而して又実に一|篇の淋漓たる筆墨、巍峨たる結構を得る所以のもの、決して偶然にあらざるを見る。
— 幸田露伴 『運命』 青空文庫
鞭声粛々夜河を渡った彼の猛烈な謙信勢が暁の霧の晴間から雷火の落掛るように哄と斬入った時には、先ず大抵な者なら見ると直に崩れ立つところだが、流石は信玄勢のウムと堪えたところは豪快|淋漓で、斬立てられたには違無かろうが実に見上げたものだ。
— 幸田露伴 『蒲生氏郷』 青空文庫
「上戸も死ねば下戸も死ぬ風邪」で、毒酒の美さに跡引上戸となつた将門も大酔淋漓で島広山に打倒れゝば、「番茶に笑んで世を軽う視る」といつた調子の洒落れた将平も何様なつたか分らない。
— 幸田露伴 『平将門』 青空文庫
これは即ち好運を牽き出し得べき線は、之を牽く者の掌を流血淋漓たらしめ、否運を牽き出すべき線は、滑膩油澤なる柔軟のものであるといふ事實である。
— 幸田露伴 『努力論』 青空文庫
梁肉を貪り喰ひ、酒緑燈紅の間に狂呼して、千金一擲、大醉淋漓せずんば已まざるが如きは、豪快といへば豪快に似たれども、實は監獄署より放免せられたる卑漢が、渇し切つたる娑婆の風味に遇ひたるが如く、十二分に歡をすだけ、其の状寧ろ憫む可く悲しむ可くして、寒酸の氣こそ餘り有れ、重厚のところは更に無いのである。
— 幸田露伴 『努力論』 青空文庫
又人あつて流に溯つて船を行るに水勢の我に利あらずして、腕力既に萎えんとしたる如き時、猶強ひてを張るを廢せず、流汗淋漓として勞に服する場合などをも、努力して事に從ふといふのである。
— 幸田露伴 『努力論』 青空文庫
作例 · 標準
真夏のフルマラソンを歯を食いしばって完走した彼の額からは、汗が淋漓としてアスファルトに滴り落ちていた。
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一時間にも及ぶ激しい剣の稽古を終えた道場には、むせ返るような熱気と淋漓たる汗の匂いが立ち込めていた。
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日差しを遮るもののない炎天下での農作業で、着ていた綿のシャツはすっかり淋漓とした汗に濡れて肌に張り付いた。
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標準
brimming (with an emotion, etc.)
作例 · 標準
大きなステージに立つ彼女のパフォーマンスは、若さと圧倒的なエネルギーが淋漓たるもので、一瞬で観客を魅了した。
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筆の赴くままに一気に描き上げられたその巨大な水墨画の龍からは、作者の凄まじい気迫が淋漓と伝わってくる。
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九回裏の逆転サヨナラで優勝を決めた瞬間の彼の泥だらけの表情には、これまでの苦労を労う達成感と歓喜が淋漓と溢れていた。
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