破れ寺
やれでら
名詞
標準
文例 · 用例
美濃の大垣の町から西北に当って、町へは一日のうちに往来出来る里程のところに在る檜木村の瑞雲寺へ来てみると、聞きしにまさる破れ寺で、寄宿して勉強するのは許して呉れたが、台所向きは苦しそうで、待遇は随分ひどかった。
— 岡本かの子 『宝永噴火』 青空文庫
夏の初めから夏安居に入って、破れ寺の瑞雲寺でも型ばかりの結制を行っていた。
— 岡本かの子 『宝永噴火』 青空文庫
破れ寺ではあるが一通りの勤めはしなければならないし、掃除から台所の支度、それに馬翁の身の廻りの面倒までもみなければならなかった。
— 岡本かの子 『宝永噴火』 青空文庫
自分一人だけでも老人の叱られ相手に残っていてもやらなければなるまい=そして慧鶴は一人で破れ寺を切り廻した。
— 岡本かの子 『宝永噴火』 青空文庫
きかせばや信田の森のふる寺の小夜ふけがたの雪のひゞきを 斯くて三十四歳の時は、押しも押されもせぬ一廉の禅師になり、亡師のあとを継いで松蔭寺の住職となり、まだ破れ寺ではあるが、そこに蟠※してぽつぽつ集って来た雲水に向って教育をはじめた頃である。
— 岡本かの子 『宝永噴火』 青空文庫
今ではこの破れ寺は弟子に譲つて、自分は土浦のある寺に住職をしてゐるのであつたが、そのCが、矢張かれと同じ汽船で、もう少しさつきやつて来たところだと言つて、驚き喜んでかれを迎へ入れたではないか。
— 田山録弥 『船路』 青空文庫
到頭呉羽之介がさ迷いついたのは、屋根も朽ち壁も落ちた破れ寺の境内でした。
— 三上於兎吉 『艶容万年若衆』 青空文庫