紋紋
もんもん
名詞
標準
文例 · 用例
もしそれ南枝の梢に短冊の昔を愛する振舞いに至っては、必ずしも歌句の拙きを嗤うを要せぬ、倶利迦羅紋紋の兄哥にもこの風流あるは寧ろ頼もしからずとせんや。
— 柴田流星 『残されたる江戸』 青空文庫
それからなお一つ、近頃の相撲好きは贔負からの入れ力ではなく、可哀相にかれらの勝負を賭けごとの道具にしておる、まさかに江戸ッ児はそんなこともしめえが、するやつがあったら己が聴かねえと、倶利迦羅紋紋の兄哥が力んでいた。
— 柴田流星 『残されたる江戸』 青空文庫
蘇子、白居易が雅懐も、倶利迦羅紋紋の兄哥が風流も詮ずるところは同じ境地、忘我の途に踏み入って煩襟を滌うを得ば庶幾は已に何も叶うたのである。
— 柴田流星 『残されたる江戸』 青空文庫
――一つは倶利迦羅紋紋の腕から背を、これ見よがしの罪のない誇りを抱く手あいもあるからであろう。
— 柴田流星 『残されたる江戸』 青空文庫
日本の倶利加羅紋紋とはちょっと気分がちがっている。
— 中谷宇吉郎 『アラスカ通信』 青空文庫
ぢき裏の路地の奥に蓬莱豆をこしらへる家があつて倶梨迦羅紋紋の男たちが犢鼻褌ひとつの向ふ鉢巻で唄をうたひながら豆を煎つてたが、そこは鬼みたいな男たちが怖いのと、がらがらいふ音が頭の心へひびくのとで嫌ひであつた。
— 中勘助 『銀の匙』 青空文庫