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自鳴鐘

じめいしょう
名詞
1
標準
mechanical clock with a bell-ringing mechanism
文例 · 用例
三層の隅か、さは腐れたる黄金の縁の中、自鳴鐘の刻み……ものなべて悩ましさ、盲ひし少女のあたたかに匂ふかき感覚のゆめ、わかき日のその靄に音は響く、静こころなし。
北原白秋 邪宗門 青空文庫
棚の上の小さき自鳴鐘鳩いでて三つと鳴かぬ間、わが唇は汝がくちに、頸まき、ただ火のもだえ、また韈の焦ぐるも知らね、さいへ、夏、我やはた、火の気なき炉に椅子もなし、人妻よ、安かれ、汝も。
北原白秋 第二邪宗門 青空文庫
而して昼は幽かに、夜は清く、朝は寂しい自鳴鐘のやうに時雨の霊をそそのかしてほのかに白芥子の花に纏る。
北原白秋 桐の花 青空文庫
目下の錯乱した官能には最早や轡虫と蜩と、隣家の自鳴鐘ときりぎりすとの区別さへつかぬほど昼と夜とが顛倒され、色触の世界にも何時しか夏と冬とが入れ代つて了つてゐる。
北原白秋 桐の花 青空文庫
もう何事も訊いて呉れるな、……フフン、それではこれ位に切り上げやう、何れにしても汝は莫迦だ、飛んでもない阿呆だ、罪人だ、気狂だ……さうだそれに違ひないと両の眼がじつとうなづく… カラカラチーン、チーン、チーン、チーン……気まぐれな隣の自鳴鐘がもう夜の十時を点つ、夕日がくわつと壁から鏡に照り反す。
北原白秋 桐の花 青空文庫
」「夕陽|窓ニアリ自鳴鐘五時ヲ報ズルヤ必酒飯ヲ供ス。
永井荷風 下谷叢話 青空文庫
大櫓時計や置時計は別だが」「ところがお前が見落したところがあるのだよ、これだ」 平次はヅカヅカと大一番の櫓時計の前に進むと、自鳴鐘といふ名の由來する、ピラミツド型の櫓の上に伏せた恰好になつた、かなり大きい鐘の中に手を入れたのです。
御時計師 錢形平次捕物控 青空文庫
やがて、自鳴鐘が鳴ると、若侍たちは皆、退座した。
二天の巻 宮本武蔵 青空文庫