ほしいまま
ほしいまま
形容動詞
標準
文例 · 用例
人夫よ はやく夏草を刈りつくせ狼火をあげよ 烟を空にたなびかせよ空想の陣幕を野邊にはつてまぼろしの宴樂をほしいままにせよ。
— 萩原朔太郎 『敵』 青空文庫
お前は、肥っていて、元気で、兇暴で、断乎として殺戮をほしいままにしていた時の快さを思い出すだろう。
— 葉山嘉樹 『牢獄の半日』 青空文庫
そしてそれがだんだんはっきりして来るんですが、思いがけなくその男がそこに見出したものはベッドの上にほしいままな裸体を投げ出している男女だったのです。
— 梶井基次郎 『ある崖上の感情』 青空文庫
そう周囲が真暗なため、店頭に点けられた幾つもの電燈が驟雨のように浴びせかける絢爛は、周囲の何者にも奪われることなく、ほしいままにも美しい眺めが照らし出されているのだ。
— 梶井基次郎 『檸檬』 青空文庫
かるが故に、月光をして汝(妹)の逍遙を照らしめよ、霧深き山谷の風をしてほしいままに汝を吹かしめよ。
— 国木田独歩 『小春』 青空文庫
『山谷の風をしてほしいままに汝を吹かしめよ』、自分はわが情とわが身とを投げ出して自然の懐に任した。
— 国木田独歩 『小春』 青空文庫
それどころか、その人の弱みにつけ込んだような感想をほしいままにした個所も多い。
— 織田作之助 『勝負師』 青空文庫
恐ろしいほど大きな茶色をした親ねずみは、あたかも知恵の足りない人間を愚弄するように自由な横暴な挙動をほしいままにしていた。
— 寺田寅彦 『ねずみと猫』 青空文庫