跳ね返し
はねかえし
名詞
標準
文例 · 用例
けれどもすぐに跳ね返して立ちあがり、今度はしたたかに豹の男のあごをけあげました。
— 宮沢賢治 『ガドルフの百合』 青空文庫
(だが、その翌日、林野局に私が挨拶に行った時は全く硬直した官僚的態度で、や、そうですか、や、と大きな事務卓を隔てて、にべもなく私の純情を跳ね返してしまった。
— 北原白秋 『フレップ・トリップ』 青空文庫
とくと、おきき遊ばしませ」 物の怪に憑かれでもしたかのごとくふるえ声で叫んだ千之介の制止を、同じ物の怪に憑かれでもしたように林田が跳ね返し乍らつづけていった。
— 佐々木味津三 『十万石の怪談』 青空文庫
博勞の跳ね返した穗が時々ひやりと頬へあたる。
— 長塚節 『佐渡が島』 青空文庫
右よりし左よりして、行く人を両手に遮ぎる杉の根は、土を穿ち石を裂いて深く地磐に食い入るのみか、余る力に、跳ね返して暗き道を、二寸の高さに段々と横切っている。
— 夏目漱石 『虞美人草』 青空文庫
」 云いつつ徐に衾を剥ると、待構えたる重太郎は全身の力を籠めて曳やと跳ね返したので、不意を食った忠一は衾を掴んだまま仰向けに倒れた。
— 岡本綺堂 『飛騨の怪談』 青空文庫
夫人は、自分の好意を、相手が跳ね返したと知ると、それを十倍もの烈しさで、跳ね返し得る女であつた。
— 菊池寛 『真珠夫人』 青空文庫
それに、私がちょっと注意したら、すぐ跳ね返して来て、お暇を頂きたいというんですもの。
— 菊池寛 『貞操問答』 青空文庫