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舟々

舟々
名詞
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標準
文例 · 用例
一めん波が菱立って来た放水路の水面を川上へ目を遡らせて行くと、中川筋と荒川筋の堺の堤の両端を扼している塔橋型の大水門の辺に競走のような張りを見せて舟々は帆を上げている。
岡本かの子 渾沌未分 青空文庫
海、海、海、舟々々、行かう!
――一九三〇年に対する私の希望・抱負・計画―― 来年は何をするか 青空文庫
」「琴平、舟々って唄を、御存じかな」琴平、舟々、追手に帆かけてひゅら、ひゅっ、ひゅっ廻れば、讃州、阿呆のごとく琴平、小藤次は、大工上り「如何でござるな」真平、御免御免お尻に帆かけてひゅらひゅっ、ひゅっ、ひゅっ 益満は、その唄に合せて、尻を、左右へ、ひょこひょこと振った。
直木三十五 南国太平記 青空文庫
大正十二年の罹災によつて一時はその数を三分の一にも減じた水上生活者の群が、いつとは知れず再び元通りの数に近づかうとしてゐた頃の或る夏近くのことであるが、ステラと名づけられた一|隻の真白な快走船が隅田川の下流を中心にある仕事に従ふ様になつて、その際だつた姿態によつて他の舟々の眼を惹いてゐた。
神西清 水に沈むロメオとユリヤ 青空文庫
」 しかし夜が明けるが否や、真つ蒼な顔をした彼は鼠色の沖から吹き来る浜風に身を顫はせ乍ら、出島の渡しのわきにたゝずみ、一舟々々、七八人|宛組みになつて蕭条と戻り来る遊女の群を充血した眼で見守つてゐるのであつた。
――一名南蛮鋳物師の死 青銅の基督 青空文庫
「金比羅舟々、……おいてに帆かけて、しゅらしゅしゅら」 と彼は首をふりふり、吹き立てた。
江戸川乱歩 木馬は廻る 青空文庫
日頃のあらゆる憤懣が、ヒステリィの女房のこと、やくざな子供達のこと、貧乏のこと、老後の不安のこと、も早や帰らぬ青春のこと、それらが、金比羅舟々の節廻しを以て、やけにラッパを鳴らすのであった。
江戸川乱歩 木馬は廻る 青空文庫