茅渟
ちぬ異読 チヌ
名詞
標準
black porgy (Acanthopagrus schlegeli)
文例 · 用例
海抜三千尺という山の上から望む茅渟の海は、遠く視野のはて、紀淡海峡を去来する汽船の煙が長く尾を引いて、行方も知れず空に消えてゆく。
— 九条武子 『六甲山上の夏』 青空文庫
茅渟海の真ん中へ出ました時、ご上人様は一首の和歌をしたため、吉之助様へお目にかけました。
— 国枝史郎 『犬神娘』 青空文庫
堺は云ふまでもなく茅渟の海に面した和泉国の一小都市です。
— 與謝野晶子 『私の生ひ立ち』 青空文庫
ある人の言葉に、ほととぎすは啼いて天主台のほとりを過ぎ、五月の風は茅渟の浦端にとどまる征衣を吹いて、兵気も三伏の暑さに倦みはてた、とある。
— 第一部下 『夜明け前』 青空文庫
例へば、淡路と和泉の間の海は、古來茅渟の海と稱し來たつたのを、今日はこの名稱を呼ばないで和泉洋または大阪灣と稱してゐる。
— 伊東忠太 『國語尊重』 青空文庫
日本書紀には茅渟の縣の陶の村としている。
— 校註 古事記 『古事記』 青空文庫
たびよりかへれる巡禮のうた萩原朔太郎いすらへるよりかへり われはゆきのうへにたちぬ
— 萩原朔太郎 『たびよりかへれる巡禮のうた』 青空文庫
細民街のぼろアパアト、黄塵白日、子らの喧噪、バケツの水もたちまちぬるむ炎熱、そのアパアトに、気の毒なヘロインが、堪えがたい焦躁に、身も世もあらず、もだえ、のたうちまわっているのである。
— 太宰治 『音に就いて』 青空文庫
作例 · 標準
夕まずめに茅渟を狙って釣りに出かけた。
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茅渟の塩焼きは、酒の肴に最高だ。
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この湾は茅渟釣りの好ポイントとして有名だ。
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