縁板
えんいた
名詞
標準
文例 · 用例
彼は、寝床の縁板のすみに、セルロイドの妻楊枝を作って置いてあった。
— 葉山嘉樹 『海に生くる人々』 青空文庫
激しい地震の時には坐禅の両手を腹の前で重ね合わしていることが出来なくて寺の縁板の左右へ思わず突出して支えたりした。
— 岡本かの子 『宝永噴火』 青空文庫
そのたびに彼は肘で縁板を弾ねて起上った。
— 岡本かの子 『宝永噴火』 青空文庫
中に火気が籠っていて、落ちた石が触れる縁板はぷすぷす煙を立てた。
— 岡本かの子 『宝永噴火』 青空文庫
「かやちゃま、おかやちゃん、どうした、どうしなはったよ」 斯う云い乍ら、気忙しく婆やがかやを抱き起すと、かやのそむけたままの横顔は真赤に染まって、縁板には三四滴の涙の痕がついて居るのであった。
— 岡本かの子 『かやの生立』 青空文庫
ただ森として縁板が颯と白くなったと思うと、水はひたひたと畳に上った。
— 泉鏡花 『黒百合』 青空文庫
縁板が蹠に吸いつくかと思われるように寒い晩になっていた。
— 有島武郎 『親子』 青空文庫
もしかして、病気でも悪くなると、こんな所で心細うござんすから……よくって」 古藤は何か平凡な返事をして、縁板を踏みならしながら出て行ってしまった。
— 有島武郎 『或る女』 青空文庫