史筆
しひつ
名詞
標準
historical writing
文例 · 用例
一体馬琴は史筆|椽大を以て称されているが、やはり大まかな荒っぽい軍記物よりは情緒細やかな人情物に長じておる。
— 内田魯庵 『八犬伝談余』 青空文庫
矧や渡辺氏の史筆の如きものがあつて、遺憾なく辯駁してある。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
史筆の選択取舎せざること能はざるは勿論である。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
率直にいふと、私は彼の史才や史筆に就いて、飽足らなく感ずる點が尠くない。
— 桑原隲藏 『司馬遷の生年に關する一新説』 青空文庫
考へて見ると、明治二十年、先生が一時世上の交渉を絶つて、閑窓の下に「開国始末」の著作に没頭された時、攘夷論の犠牲となつて桜田門外の雪と消えた井伊大老の為に、雪寃の史筆を揮つて居られた時は、維新以来久しく窒息状態に潜伏して居た攘夷的感情が、機運一転して擡頭の時節接近した時であつたらしい。
— 木下尚江 『自由の使徒・島田三郎』 青空文庫
豊かに高きその史筆明治の篇を結びませ。
— 與謝野晶子 『晶子詩篇全集拾遺』 青空文庫
ことにこれを伝えた史筆の上にも、確かに忌むところがあって隠した形跡が窺われるのである。
— 喜田貞吉 『道鏡皇胤論について』 青空文庫
彼が皇胤であることを隠さんとした史筆の陰に、そんな事があっても一向差し支えはないではなかろうか。
— 喜田貞吉 『道鏡皇胤論について』 青空文庫
作例 · 標準
司馬遷は厳格な史筆をもって、時の権力者に屈することなく『史記』を書き上げた。
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後世の歴史家は、彼の偏った史筆が当時の状況を歪めて伝えていると指摘した。
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事実は小説よりも奇なりというが、彼の鋭い史筆はその真実を余すところなく捉えている。
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