湯音
ゆおと
名詞
標準
文例 · 用例
弥兵衛は町人の伜であり、母一人に子一人の境遇、美貌であり品もあり穏しくもあったが、どっちかといえば病身で、劇しい商機にたずさわることが出来ず、家に小金があるところから、和歌俳諧茶の湯音曲、そんなものを道楽にやり、ノンビリとしてくらしていたので、どこか鷹揚のところがあった。
— 国枝史郎 『一枚絵の女』 青空文庫
しまい湯をつかっている二人の若い女は笑い声一つたてないでピチャピチャ湯音をたてている。
— 林芙美子 『新版 放浪記』 青空文庫
しまい湯をつかっている、二人の若い女は笑い声一つたてないで、ピチャピチャ湯音をたてゝいる。
— 林芙美子 『放浪記(初出)』 青空文庫
遠い磯鳴りのような釜の湯音のうちに、更けた夜を感じながら、二人は、しばらく、背と背を向け合っている……。
— 吉川英治 『大谷刑部』 青空文庫