禁厭
きんえん
名詞
標準
文例 · 用例
「ははあ、ごんごんごま、……お薬用か、何か禁厭にでもなりますので?
— 泉鏡花 『二、三羽――十二、三羽』 青空文庫
二階の論判一時に余りけるほどに、雷様の時の用心の線香を芬とさせ、居間から顕われたのはお蔦で、艾はないが、禁厭は心ゆかし、片手に煙草を一撮。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
下に、荷車の片輪はずれたのが、塵芥で埋った溝へ、引傾いて落込んだ――これを境にして軒隣りは、中にも見すぼらしい破屋で、煤のふさふさと下った真黒な潜戸の上の壁に、何の禁厭やら、上に春野山、と書いて、口の裂けた白黒まだらの狗の、前脚を立てた姿が、雨浸に浮び出でて朦朧とお札の中に顕れて活るがごとし。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
あれは汁を旨く喰わせる禁厭ですかね。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
」「はい、お禁厭でございます。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
)(禁厭にする大事なものいの、これが荷物じゃ、火の車に乗せますが、やあ、殿。
— 泉鏡花 『吉原新話』 青空文庫
第一色気ざかりが露出しに受取ったから、荒物屋のかみさんが、おかしがって笑うより、禁厭にでもするのか、と気味の悪そうな顔をしたのを、また嬉しがって、寂寥たる夜店のあたりを一廻り。
— 泉鏡花 『貝の穴に河童の居る事』 青空文庫
が、何の禁厭か知れぬまで、鉄釘、鉄火箸、錆刀や、破鍋の尻まで持込むわ。
— 泉鏡花 『夜叉ヶ池』 青空文庫